都市は、つくるだけの場所ではない。壊すことでも、ただ残すことでもない。そのあいだにある「意思」こそが、風景を決めていく。
かつて都市計画は、新しい建物を建てる行為とほぼ同義だった。しかし今、社会は静かに方向を変えつつある。建築費の高騰、環境への配慮、そして「新しくすることは、本当に豊かさへつながるのか」という根源的な問い。私たちは一度立ち止まり、都市の時間を再編集しようとしている。図面上の保存ではなく、その場所に流れてきた時間そのものを、どう未来へ手渡すのか。
本展では「つくらない都市計画」の軌跡と、そこから立ち上がった新しい「風景」を紹介する。それは、建て替えでも、放置でもない。都市に対する、静かで確かな態度の提示である。
「大切なのは、どの風景を残し、どの風景をつくるかという意思」。
九段ハウスという歴史の器の中で、都市の未来をめぐる思索の時間をともにしたい。
END